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採血によるホルモン検査
排卵する機能はあるが、排卵した後に黄体が充分働いているのか、着床の邪魔をするようなホルモン因子はないか、などの検査になります。 |
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(a) |
LH(黄体化ホルモン)
FSHと共に下垂体から分泌され卵巣を刺激して卵胞を発育させるホルモンです。排卵の直前にピークを作るのでLHサージといいます。
下垂体前葉に異常のある場合、低い値が続きます。多嚢胞性卵巣など、卵巣の機能に異常がある場合は高値となります。 |
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(b) |
FSH(卵胞刺激ホルモン)
卵胞発育を促す下垂体ホルモンです。排卵の前に高値となり、頸管粘液の分泌を促します。年令的に卵巣の働きが落ちてくるとこのホルモンが上昇します。 |
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(c) |
PRL(プロラクチン)(乳腺刺激ホルモン)
産後ではないのにPRLが上昇する異常を高プロラクチン血症といいます。乳汁が出たり、黄体の働きを悪くして高温期が短くなったりして着床に悪影響を及ぼします。下垂体に腺腫ができていたり、ドグマチールなどの薬の副作用で上昇する事があります。 |
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(d) |
エストロゲン(卵胞ホルモン)
卵巣のなかの卵胞(卵子が入っている袋)の周囲の細胞集団から分泌されるホルモン。排卵が近づくと高値となり、頸管粘液の分泌やLHサージを促します。排卵が発育しないと低値のままです。 |
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(e) |
プロゲステロン(黄体ホルモン)
排卵した後の卵胞(黄体)から分泌されるホルモンで、体温中枢に作用して基礎体温を上昇させます。子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に変化させます。低値の場合は黄体機能不全となります。 |
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(f) |
テストステロン(男性ホルモン)
多嚢胞性卵巣があったり、副腎皮質に異常がある場合に高値になって排卵障害を来たす場合があります。 |
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(g) |
甲状腺ホルモン
甲状腺機能の亢進や低下は女性に多い病気です。まず月経不順として現われることがあります。 |
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(h) |
抗ミュラー管ホルモン(AMH)
卵巣内にあって卵細胞(卵子)を包んでいる卵胞が分泌するホルモンをAMH(抗ミュラー管ホルモン)という。
個人差があるが35歳頃から減ってくるのでAMHを測ることで卵巣年齢(卵巣予機能)(残っている卵子の数が判るとされています。
35歳を過ぎて不妊治療を続けている人は一度AMHを調べて低値の場合は早めに治療法をステップアップした方が良いかもしれません。 |